「猫と暮らしたい」と いう希望を、
社会の仕組みにするために
「猫と暮らしたい」
その願いは、とても自然で、ささやかなものに見えるかもしれません。
けれど、高齢になったとき、その願いを続けることは思った以上に難しくなることがあります。
体調の変化。
家族の心配。
入院や施設入所の可能性。
住まいの問題。
猫の世話を続けられるかという不安。
そして、万が一自分が先に暮らしを変えなければならなくなったとき、
この子はどうなるのかという心配。
猫と暮らすことを望んでいても、現実の条件によって、あきらめざるを得ない方は少なくありません。
猫と暮らすことは、単なる癒しではありません
猫と暮らすことは、単に「かわいい」「癒される」というだけではありません。
私自身、保護猫を迎えたことで、そのことを強く感じるようになりました。
わが家に来てくれたのは、キジトラの猫です。
最初は警戒心が強く、部屋の隅に隠れてばかりでした。
それでも、毎日少しずつ距離が縮まり、今では仕事をしている私のそばで、
静かに過ごしてくれるようになりました。
朝には猫との挨拶があり、夜には膝の上で眠る姿に心がほどけます。
特に忘れられないのは、仕事で大きな壁にぶつかり、気持ちが沈んでいた夜のことです。
猫がそっと近づいてきて、私の手に頭を押し当ててきました。
言葉はありません。
けれど、「ここにいるよ」と言われたような気がしました。
その存在に、気持ちが静かに支えられました。
猫との関わりには、言葉を超えた安心感があります。
人が孤独や不安を抱えているとき、猫の存在が心の揺れを静かに受け止めてくれることがあります。
これは、高齢の方にとっても、とても大きな意味を持つものだと思います。
それでも、高齢者と猫の暮らしには不安があります
一方で、高齢者が猫と暮らし続けるには、現実的な課題もあります。
たとえば、
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入院したとき、猫の世話を誰がするのか
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施設に入ることになったら、猫はどこで暮らすのか
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家族が猫を引き取れない場合、どうするのか
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猫のためのお金をどう残すのか
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猫を飼っていた家が空き家になったら、誰が管理するのか
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本人が認知症になったとき、誰が判断するのか
こうした問題は、猫のことだけでなく、住まい、家族、相続、福祉、手続きが重なり合っています。
だからこそ、単に「猫の預け先を探す」だけでは足りないことがあります。
猫の暮らしを守るには、飼い主さんの暮らしも、
住まいも、お金のことも、家族との関係も、一緒に整理していく必要があります。
「猫と暮らしたい」を仕組みにする
私は、猫と暮らしたいという願いを、個人の努力だけに任せるのではなく、社会の仕組みとして支えられないかと考えるようになりました。
たとえば、相続された空き家を活用し、猫と暮らせる住まいとして再生すること。
猫のために必要なお金や世話の希望を、遺言やペット信託で整理しておくこと。
入院や施設入所があったときに、猫の暮らしが急に途切れないよう、事前に相談先や支援者を決めておくこと。
親が施設に入った後の実家や、猫を飼っていた家を、すぐに売るのではなく、見守りながら考えること。
こうした一つひとつの備えが、猫との暮らしを守る仕組みにつながっていきます。
猫と暮らすことは、単なる趣味ではありません。
その人の生活のリズムであり、心の支えであり、日々を生きる力になることがあります。
私は、それを「心のインフラ」のようなものだと感じています。
にゃんともが大切にしたいこと
にゃんとも 住まいと猫の相談室が大切にしているのは、すぐに答えを出すことではありません。
「施設に入るかもしれない」
「猫の行き先が決まっていない」
「家をどうするか迷っている」
「家族にまだ話せていない」
そうした段階で、無理に結論を出す必要はありません。
大切なのは、今ある不安を分けて、何から考えるかを整理することです。
にゃんともでは、猫のこと、住まいのこと、相続や遺言、任意後見、ペット信託のことを、ひとつの流れとして一緒に考えていきます。
必要があれば、行政書士として手続きの準備をお手伝いします。
猫を飼っていた家や実家が心配な場合は、空き家見守りについても一緒に考えます。
けれど、最初から手続きを前提にする必要はありません。
まずは、話して整理するところからで大丈夫です。
まだ決められない時間も、大切な時間です
猫のこと、家のこと、これからの暮らしのこと。
どれも、すぐに答えを出せるものではありません。
むしろ、「まだ決められない」という時間の中に、その人の本当の気持ちがあることもあります。
にゃんともは、その時間を急がせず、相談者の判断の時間を守る相談室でありたいと思っています。
猫と暮らす人が、年齢や住まいの事情だけで、その希望をあきらめなくて済むように。
そして、万が一暮らしが変わるときにも、猫のこれからを置き去りにしないように。
「猫と暮らしたい」という希望を、やさしい気持ちだけで終わらせず、現実の仕組みとして支えていく。
それが、にゃんとも 住まいと猫の相談室の出発点です。
この記事を読んでくださった方へ
猫のこと、住まいのこと、相続や手続きのことは、ひとつだけを切り離して考えるのが難しい場合があります。
まだ何も決まっていなくても大丈夫です。
「自分の場合は、何から考えればいいのだろう」と感じた方は
、まずは60分、話して整理するところから始めてみてください。
初回相談では、猫の今後、住まい、家族、相続・遺言・ペット信託などを、
今の状況に合わせて一緒に整理します。
